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臨床で必要なことはすべてmedtoolz先生から学んだ

 

学生の時に勉強することと、実際の医療で必要とされることはまったく異なっている。

研修医になったばかりの頃、臨床現場の理想と現実のギャップに苦しんだ。

 

「患者さんのために」とか「患者さんの話をよく聞きましょう」とか大学で習ったことはまったく役に立たず、現場は理不尽なクレームやスタッフ間の軋轢、非効率的なシステムなどに溢れていた。

そんなときに出会ったのが内科医medtoolz先生が書かれていた「レジデント初期研修用資料」というブログだった。

 

今回はこれまでのmedtoolz先生について記事をまとめてみた。

(随時更新)

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レジデント初期研修用資料とは

 

ブログには、大学で習うような「綺麗事」は無しにリアルな臨床現場のことが書かれていて、当時の自分にとって非常に参考になった。

medtoolz先生から学んだことが今の自分の診療のベースになっている。

 

また「レジデント初期研修用資料」が自分がブログを始めたきっかけの一つでもある。

ブログは閉鎖されてしまっているが、一部の記事だけは読むことができる。

【関連】ブログを始めるきっかけになったこと

 

ブログの一部が書籍にもなっていて当然両方とも購入。

 

自分がブログから学んだことを4つの項目に分けてまとめてみる。

  1. 地域医療
  2. 診察法
  3. 診断
  4. 治療

 

1. 地域医療

総合診療科は勧められるか?

>>【診療科の選び方】総合診療科について皮膚科医が思うこと

 

研修医のとき、総合診療とかプライマリケアとか「何でも診られる」ということに憧れていた時期があった。

しかし地域医療研修で田舎の病院に行ったときに、現実は若干異なっていることに気づいた。

下手に「何でも診れます」などと宣言しようものなら、いろんな病院から紹介されるのは、食事の取れなくなった高齢の寝たきり患者、行き場の無い褥瘡+発熱の患者などなど。

もう一般内科をやる時代ではないのかもしれない。

 

紹介状の書き方

>>良い紹介と悪い紹介から、紹介状の書き方を考える

 

病院の近くに評判の良いクリニックがある。

しかしその実態は「すぐに紹介状を書くクリニック」。

開業するならば「うまく患者を紹介する能力」も大事なんだと感じる。

エビデンスに基づいて知力を全開にした主治医の紹介状は、案外専門科には通らない。勉強なんてそっちのけの狸親父っぽい誰かの紹介状は貫通力が恐ろしく高かったりもする。

 

2. 診察法

待ち時間を減らす診察法

>>皮膚科医の待ち時間対策【外来の待ち時間を減らす診察法】

 

流行っているクリニックにバイトに行くと半日で100人以上の患者を診察しなければならないことがある。

診察時間を短縮するには、目の前の患者のニーズを把握することが重要だという。

患者さんは「こうしてほしい」イメージを持ってくる。病院に来る患者さんは3種類。

  • 何か薬がほしい人検査をしてほしい人
  • 検査をしてほしい人
  • 話を聞いてほしい人

 

3. 診断

患者の話をよく聞いて丁寧に診察してもわからない時

>>「患者の話をよく聞けば診断がわかる」わけではないという話

 

臨床をしていると診断がつかないということは多々ある。そんなときよく言われるのが、「丁寧に診察し直せば診断が分かる」ということ。

しかし話をよく聞いて、診察し直しても分からなかったときにどうすればよいかは誰も教えてくれない。

たとえばある症状に対して原因が突き止められなかったとき、次にどうすればいいのか、教科書にはしばしば、それが書かれていません。

 

どうやって診断力を上げるか?

>>診断力を強化するためにどうしたらよいか?【3つの方法】

 

診断力を磨くために大事なのは、一つの疾患を数多く経験して自分の中に「疾患の正常像」を作ること。

独立して一般内科などをやるようになると、一番大切になってくるのが「正常ってなんだっけ?」という感覚。

最初にやらなくちゃならないのが、自分の頭の中に「正常値」を作ること。

 

誤診してしまったとき

>>皮膚科医が誤診について考えてみた【誤診率・誤診を避ける方法】

 

柔道では最初に習うのが受け身の取り方。スキーでは転び方。

しかし医療では正しい転び方は習わない。

誤診したときに、どうリカバーするかも医師の大切な能力だと思う。

もしも身体所見をとったときに特定の所見を見落としていたら、その患者さんの症状はどうなっていたのか。

見逃して患者さんの具合が悪くなったとして、どういうことを行えば、そこから再び、患者さんを治癒の流れに乗せられるのか。

 

レアケースを診断するために必要なこと

>>皮膚科の面白さはレアモノ探し 

 

みたこともないような病気を疑うには「症例報告」をたくさん読んでおくことが大事である。

臨床現場では、major paperよりもcase report・症例報告のほうが役に立つということが多々ある。

こんなにすごい症例を治した、こんなに困難な場面をこうやって切り抜けたといった体験談は、それだけで最高に面白い物語であり、また後々役に立つ知識として自分に残る。

なのに、それが抽象化された知識の羅列になったとたんにつまらなくなり、同時に臨床の現場で何の役にも立たない知識になってしまう。

 

4. 治療

「経過観察」は難しい

>>経過観察は奥が深くて難しいという話

 

診療をしていると「経過観察」を行わないといけない状況が生じる。

しかしただ「待つ」ということは意外と難しい。

外傷治療の急性期には、輸液を入れて、落ち着くまで「待つ」時間が発生することがある。

「待つ」ことには意味があるのだけれど、外からだと状況は止まっているように見えてしまう。「待ち」を入れるやりかたは相当な精神力が必要になることがわかる。

 

AI時代に必要な診療スキル

>>AIに代替されないための医師の働き方を考える

 

最近AIの進歩によって人間の仕事が奪われることが心配されていて、医者も例外ではない。

AIに代替されないためには「手数を増やすこと」と「イメージを描く」ことが大事だと思う。

若い人は要求が厳しい。お願いした患者さんは97歳だけど、適当にやっているのがばれて、処方を全部変えられたりする。

ベテランの先生がたは「いいんじゃないですか?」なんて、ちょっとだけ専門知を付け加えて、正しいやりかたに直してくれる。

 

治療の原則「戦力の逐次投入を避ける」

>>皮膚科医のステロイドの使い方 「戦力の逐次投入は愚策である」

 

戦争において「戦力の逐次投入は愚策である」という格言がある。これは医療の世界でも当てはまることだ。

「この人は軽そうだから、点滴だけで、ちょっと治そう」なんて判断して、そういう患者さんが想定どおりに行かないとき。

なまじ「ちょっと」という思いがあるから、全ての対応が後手に回りがちで、泥沼にはまって失敗する。

 

まとめ

 

medtoolz先生のブログから学んだことの一部をまとめてみた。

今後も少しずつ記事にしていきたいと思う。

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