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若手医師のブラック労働の功と罪

 

働き方改革が話題である。

今では仕事の裁量権が与えられソコソコの生活を送る自分だが、かつてはご多分に漏れずブラック労働の一端を味わったこともある。

今回はブラック労働の功と罪について書いてみる。

 

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研修医のブラック労働

 

研修医の時、最初にローテートした科では「丁寧な診察やアセスメント」が大切だと教えられた。

またカンファランスや回診でのプレゼンテーションも重視されていて、しっかりと指導をされた。

 

ところが次の科へ移ると状況は一変する。

待っていたのは大量の受け持ち患者。土日も当然休みなし。

真面目にやってたら仕事が終わるのは深夜2時。

 

丁寧な診察もアセスメントも捨ててしまって、限界まで仕事を効率化しないと体がもたないと悟った。

そこでTo Do リストを作成し効率のよい仕事の方法を模索し続けることで、少しずつ余裕ができていった。

そのとき会得した効率化の手法は今でも役に立っている。

 

かつてmedtoolz先生のブログにも同じようなことが書かれていた。

オリエンテーション直後、右も左も全く分からない病棟でいきなりの患者30人持ち。

1年生の頃はひどかった。

入職してから、オリエンテーションに10日間。そのあとは、右も左も全く分からない病棟でいきなり30人持ち。

できるわけが無い。患者さんの把握をしようにも、名前一つ満足に覚えられない。新患など入った日には、残りの患者は放りっぱなしだ。

 

端から丁寧に診察していたのでは、絶対に間に合わない仕事量。

要求されているのは、最初から無理なこと。端から丁寧に診察していたのでは、絶対に間に合わない仕事量。

 

medtoolz先生は「手の抜きどころ」を学ぶことで、何とか仕事をこなせるようになってきたのだという。

1年生に30人持たせて、それを全部診察して把握して、治療方針まで決定せよというのは最初から無理な話。

「大事なのは、上司が回診するときに必要な資料をそろえておくことで、自分が丁寧な診察をして、適切な治療方針を考え出すことじゃないんだ」ということが理解されてからは、だいぶ仕事が速くなった。

 

処理できない仕事量を与えられることで、限られた自分のリソースをどこに投入すればいいかを体で覚えさせられた。

ルールを理解するということは、どこまで手を抜いてもいいのか、 限られた自分のリソースをどこに投入するのが戦略的に正しいのかを理解するということだ。

研修医は、最初に無茶な要求をされて、手の抜きかたを体で覚えさせられた。

 

これは自分もまったく同じだった。

ブラック労働を肯定する気はまったくないが、絶対に処理できない仕事量によって、不可抗力で処理速度が上がる側面があることは事実である。

 

自分の時間を取り戻そう

 

最近ちきりんの本を読んでいると、同じようなことが書かれていた。

 

大量の仕事を終わらせるために、とれる方法は二つある。

 

  1. 時間を投入する
  2. 仕事を効率化して生産性を上げる

 

時間を投入するほうが簡単なので、人間どうしても長時間労働で解決しようとしてしまう。

ところが長時間労働でこなせないくらい仕事が多い場合、はじめて効率を上げようという方向へ向かう。

投入できる時間が強制的に制限されないと、「効率を上げよう」というモチベーションが出てこないとのことである。

 

例えば、働きながら子育てをしているワーキングマザーは、効率を上げるスキルが強制的に身についていく。

一方専業主婦は投入できる時間がたくさんあるため、仕事が効率化されず「常に忙しい」と嘆いている。

SNSでよく話題になる「専業主婦はずっと家にいるから暇だろ!」vs「専業主婦は忙しいんだ!」の議論はこうしてできあがる。

 

まとめ

 

ビジネスで成功している人の多くが、若い頃にとても忙しい働き方を経験している。

それは「苦労したから成功した」のではなく、「効率のよい働き方を身につけた」からなのだという。

ビジネスで成功している人の多くが、若い頃の一時期ものすごく忙しい働き方を経験しています。

彼らはものすごく忙しい生活の中で「生産性の高い働き方」を身につけたのです。そしてそれが、後の成功につながっているのです。

 

ブラック労働がなくても、自分で時間に制限をかけられれば効率性を上げることはできる。

しかしよっぽど自己管理ができる人でないと難しいだろう。

 

老害っぽいことは言いたくないが、人生どこかの場面でブラック労働を経験するのも悪くないのかもしれない。

もしかするとブラック労働を経験した人は、そんな労働を経験していない人よりも少しだけ有利な立場にいるのではないか。

働き方改革のニュースを見ながらそんなことを考えた。

 

もう二度とやりたくはないけど…。

 

▼medtoolz先生のまとめはこちら▼

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