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コンビニとアマゾンから学ぶクリニック開業①【コンビニ編】

 

今後クリニック開業を考える上で、業界の未来予測は欠かせない。

医療界の未来を予測する上で参考になるのは流通業界だという。

医療界では今後、どのような分野が成長するのだろう。それは、ニーズが高まる領域だ。

この点でも、流通業界の経験が参考になる。

流通業界では、国民の多様化したニーズに併せて、コンビニエンスストアや宅配サービスが発達した。

新専門医制度という愚策

 

流通業界で発達したのはコンビニとアマゾンである。

アメリカではすでに、コンビニとアマゾンのような医療サービスが発達してきているらしい。

米国では昨年、薬局やスーパーに併設されるリテール・クリニックが900%も成長した。オバマケアにより中間層が医療にアクセスしやすくなったからだ。

宅配サービスは改めていうまでもない。在宅診療が代表例だ。今後この領域は成長する。アマゾンやクロネコヤマト、ドローン、さらにITを用いた遠隔診療とも連携することになるはずだ。

新専門医制度という愚策

 

今回は医療におけるコンビニエンスストアと宅配サービスについて。

 

コンビニエンスクリニックとは

 

最近アメリカではリテールクリニックという簡易クリニックが増えているという。

リテールクリニック(retail clinic)とは

アメリカで近年増加している、ショッピングモールや薬局などに併設された医師の常駐しない簡易診療所

 

2006年には200店舗しかなかったリテールクリニックは、2014年には1800店舗を超え、急激に増加しているそうだ。

【関連】日米コンビニクリニック

リテールクリニックの特徴は、薬局や食料品店などの中にあり気軽にアクセスしやすいこと。また週末や夜遅くまで開いていて、予約不要で医療費も安い。

いわばコンビニエンスクリニックである。

 

価格が安い理由は、診療主体が医師ではなくナースプラクティショナー(上級看護師)やフィジシャンアシスタントだからである。

彼らがマニュアルに従って検査・診療・処方を行い、予防接種や健診なども提供する。

医師はマニュアルを作成するが現場にはいない。

 

皆保険で定額の日本の医療システムでは、看護師による格安クリニックは実現しないと思うが、アクセスの良さという点では参考になる点がある。

 

日本のコンビニエンスクリニック

 

日本でもコンビニエンスクリニックのコンセプトを持つクリニックが存在しているそうだ。

駅ナカでアクセスが良く、夜も遅くまで診療を行っている利便性のよいクリニックである。

利用者視点で作られた診療所「コンビニエンスクリニック」 その存在価値とは?

当院の最大の特徴は、駅ナカという場所で診療していること、そして平日は午後9時まで、土日も10-14時の診療をしていることです。

 

「アクセスの良さ」や「土日診療」やという付加価値をつけて患者を集めるコンビニエンスクリニックのコンセプトは普及しそうである。

マニュアルさえあれば医師でなくても対応できる軽い疾患、健診、予防接種などのリスクの低い医療は、今後患者の奪い合いになる可能性が高い。

なんの工夫もなくリスクの低い診療をしているだけのクリニックは厳しくなるのかもしれない。

 

10年ほど前にmedtoolz先生もこの状況を予見されている。

(medtoolz先生についてはこちら>>臨床で必要なことはすべてmedtoolz先生から学んだ

 

「免許持ってるだけで食べられた時代は終わり。風邪薬だけ出して、笑顔振りまいていればお金になった時代は終わり。」

医師の技術が高価になりすぎてしまったアメリカでは、診療資格を持った看護師による「ミニクリニック」という試みが始まっているそうだ。

リスクの低い患者さんは、チャートに従って投薬。危なそうな人は、その時点で病院へ。

免許持ってるだけで食べられた時代は終わり。風邪薬だけ出して、笑顔振りまいていればお金になった時代は終わり。

 

開業医にとっては厳しい時代になりそうだ。

 

後編につづく

>>コンビニとアマゾンから学ぶクリニック開業②【アマゾン編】

 

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