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AIに代替されないための医師の働き方を考える(前編)イメージを描く

 

最近AIの進歩によって人間の仕事が奪われることが心配されている。

医者も例外ではない。

 

AI時代に医者はどんなプロを目指せばよいか。

参考になりそうなのが、コンピューター研究者の落合陽一氏。

【関連】落合陽一から皮膚科医が学んだこと

 

彼は来る超AI時代に我々がどう生きていけばいいかを語っている。

 

落合陽一氏によると「戦術」より「戦略」が重要になってくるという。

AIというツールの使い方として、「戦術より戦略が重要だよ」と話しています。戦術レベルだとAIのアップデートが早いため勉強し続けないといけないですが、戦略レベルなら割と長い間、人間の出番があると思っています。

「デジタルネイチャー」の社会におけるAIとの付き合い方

 

これは医療の現場においても言えることなんだと思う。

戦術(治療法)レベルではAIが強い。しかし戦略レベルではまだ人間の出番がある。

 

今回は医者が学ぶべき戦略について2つの視点からまとめてみる。

  • イメージを描く
  • 手数を増やす

 

まずイメージを描くことについて。

 

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イメージを描く

 

高齢化した地域で診療を行っていると、「入院してキレイに治って、元気に退院していく」ということは少ない。

皮膚疾患で入院したはずだったのに、入院後次々に別の病気が併発し、もぐら叩き状態。

さらに入院によってADLが低下し、寝たきり状態になってしまう。

 

このように治療のゴールが見えなくなってしまうことは多い。

ではどこをゴールにするのか。それを考える能力が重要になって来ると思う。

 

脳梗塞患者の話

 

以前medtoolz先生のブログにこういう話があった。脳梗塞の患者の治療について。

研修医のmedtoolz先生が指導医に治療方針を聞くと、検査や治療薬の指示ではなく「立派な寝たきり老人にして返す」という返答をもらったそうだ。

研修医の頃、重篤な脳梗塞の患者さんを受け持った。上司に「どうしますか?」なんて治療の方針を尋ねたら、「立派な寝たきり老人にして返す」という返答をいただいた。

 

そこで目先の治療ではなく、退院するときのイメージを描いて診療することの重要性を悟ったという。

自分は研修医だったから、予期していた返答は、とりあえずの点滴だとか、治療に使う薬だった。当時の自分は「治療」を見ていて、その人は患者さんが退院するときのイメージを描いていた。そういう発想は、そのときの自分になかった。

 

この記事を読んだときに、すごく納得した。

大学で勉強してきたのは、どんな治療を行うかということだった。

しかし現実には、治療を積み重ねた先に退院があるわけではない。

患者の「治癒」をゴールだと思っていると、行き詰ってしまうことがよくある。

 

そうならないために、「どうやって退院させるか」を具体的にイメージしておくことはとても大事だと思う。

 

自宅退院がゴールになるなら、治療はそこそこに早めの退院を検討する必要がある。

またADL低下を予防するためのリハビリや、退院後の介護サービス導入の準備が、治療より優先される場合もあり得る。

 

一方リハビリ病院への転院をゴールにするんだったら、ADL低下は許容できる。

 

必ずしも「治癒」がゴールではないということ。

AIは患者の「診断⇒治療」の部分では優れた力を発揮すると思うが、患者に「ある程度の落としどころをつける」ということは苦手だと思う。

 

入院から退院までの患者さんのマネージメントをする。

そういう能力はAIに代替されないためにスキルの一つになりうるだろう。

一人の医師が戦力として数えられるようになるとはどういうことか。必要な医学知識を身につけているのは当然として、一人の力で患者さんを退院まで持っていけるだけの能力を身につけることだと思う。

 

後編につづく。

AIに代替されないための医師の働き方を考える(後編)手数を増やす
前回の続き。 最近AIの進歩によって人間の仕事が奪われることが心配されている。 医者も例外ではない。 【関連】落合陽一から皮膚科医が学んだこと AI時代に医者はどんなプロを目指...

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