ジブリの名作「となりのトトロ」。
実は子供のときはしっかり観たことがなくて、学生のときに観たのだけど「毒のない平和な映画だなあ」という感想で特に印象には残らなかった。
でも今回観てみると、なぜかとても心に響く映画だった。
それを回りに話してみたら「年をとったからでしょ」と言われた。
年をとったつもりはないのだが。感性が磨かれたのかな。
となりのトトロの魅力
自然の美しさ、トトロの出てきたときのワクワク感、音楽、どれをとってもすごく良い。
明るさだけではなくて、子供のときに感じていた自然に対する漠然とした不安、怖さみたいなものも描かれていて重厚である。
迷子のメイを捜すシーン。時間経過とともに少しずつ色合いが変わっていく映像美。
またジブリの教科書には宮崎駿監督のロングインタビューが載っていて、たとえば母親がサツキの髪をとかす何気ないシーンなども考え抜かれて作られていることが分かる。
サツキが病院にお見舞いに行ったからって、抱きつくわけにはいかない。ちょっと恥ずかしくってすぐ寄って行かないのが、もっともなんです。
メイは抱きつけるんですね、まだ。
そうするとサツキのおふくろさんはどうするだろう…たぶん髪の毛でもとかしてあげるんじゃないかな。
それが実はサツキを支えているんですね。
子供向けだからといって手抜きしない作りこみの細かさを知って、さらに好きになった。
となりのトトロの興行収入
そんなトトロも映画の興行収入は振るわず、公開終了1年後のテレビ放送くらいから人気が高まってきたそうだ。
ジブリ映画興行収入ランキング
①千と千尋の神隠し 308億
②ハウルの動く城 196億
③もののけ姫 193億
④崖の上のポニョ 155億
⑤借りぐらしのアリエッティ 92.5億
⑯となりのトトロ/火垂るの墓 5.9億
⑰天空の城ラピュタ 5.8億
興行収入は「火垂るの墓」と2本合わせても5.9億で「千と千尋の神隠し」の1/50。ジブリ映画の中ではワースト2である。
長く残る、本当に良いものは認められるまでに時間がかかるのかもしれない。
今後ジブリ映画や関連書籍のレビューを書いていく予定。
つづく

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