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「フリーランス医師」という働き方について病院勤務医が考えたこと

 

最近は医師の働き方にも色々な選択肢が出てきている。

一つは『新しい医師のキャリア「副業医師」とは何か?』の記事で書いたような、勤務医をしながら投資や起業を行う副業医師。

もう一つはフリーランス医師である。

 

新しい医師の働き方

  • 副業医師
  • フリーランス医師

 

今回はフリーランスの麻酔科ドクターが書いた「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」を読んだ感想を書く。

フリーランス医師の魅力とは?

 

フリーランスの魅力は「勤務医よりも高給かつ自由度も高いワークスタイル」だそうだ。

特に麻酔科では仕事は有能者に集中する傾向が著しい。周囲も認めるヤブ医者は定時で帰宅できる。その結果、時給はヤブほど高くなりがちである。

フリーランス医師は結果に応じた報酬を受け取る。高リスク・高難度・長時間の仕事は相場が上がるので、有能で勤勉なものほど高収入となる。

 

実際に著者はフリーランスになり年収が3倍になったらしい。

フリーランスとして独立し、年収は大学病院時代の3倍になり、なおかつ週5日は自宅で夕食を食べられるようになった。

 

それを聞くとフリーの働き方はとても魅力的に思える。

 

フリー非常勤医の働き方は2種類ある

 

ただ筆者は専門性の高いスキルで高い報酬を得ることは推奨しているが、安易にフリーになることに対しては警鐘を鳴らしている。

 

常勤の勤務先を持たないフリーの働き方には2種類ある。

 

  1. フリーター医師⇒健診や寝当直で生計を立てる
  2. フリーランス医師⇒専門のスキルで生計を立てる

 

フリーター医師は推奨できないとのことだ。

私がフリーター医師をお勧めしないのは、それがコモディティ(汎用品)だからである。簡単に他の医師で代用できるので、低価格競争になりやすく、突然失職するリスクが高い。

 

ロクなスキルもなく、スキルが不要な健診や寝当直の収入で生計を立てるフリーター医師は危険。

一方、フリーランスは専門医としての高度なスキルを病院に売るタイプの医師。

他科医師が手を出せない専門性がある。

目指すならフリーターではなくフリーランスである。

 

知り合いのフリーランス医師の話

 

麻酔科のフリーランス医師と詳しく話したことはないが、知り合いに内視鏡のバイトで生計を立てている内科のフリーランス医師がいる。

常勤よりずっと給与の条件がよく、過酷な救急当直もしなくてよいため快適な生活だそうだ。

消化器内科はフリーランスとの相性がよさそうだ。

 

心カテなどのスキルも希少価値は高いが、心カテバイトっていうのは多分少なくて、マネタイズ(収益化)はしづらいと思う。

一方内視鏡はバイト募集数が多くてマネタイズしやすい。

今後は「マネタイズ(収益化)しやすいスキル」という観点で診療科を選ぶというのもありかもしれない。

本によると産科もフリーランスとしてマネタイズしやすいそうだ。

 

フリーランスのリスクと将来

 

しかしこのようなフリーランスの働き方にはリスクが伴う。

フリーランスのデメリットとしては、「雇用の不安定」「病気による減収~無収入リスク」等が挙げられる。

 

リスクを考えると自分はあまりやりたいとは思わない。

しかし今後、フリーランスの働き方が広がって一般化してくる可能性もある。

 

現在スマホの普及によって、アプリで消費者とサービスをマッチングする「メルカリ」や「UBER」などのサービスが広がってきている。

こういうのをシェアリングエコノミーと呼ぶらしい。

シェアリングエコノミーとは

IT技術を利用して、物・サービス・場所などを多くの人と共有・交換し利用する社会的な仕組み。

 

さらにビジネス用のSNSが普及すれば、非常勤の仕事をみつけるのはもっと容易になる。

>>4つのアメリカ医療サービスから医者の生き残り戦略を探ってみる

国もシェアリングエコノミーを推進しており、医療サービスに応用されれば「病院に常勤で勤務する」という働き方が珍しいものになるかもしれない。

 

そして実際に自分がフリーとして働かざるを得なくなった場合に、スキルをマネライズできるかどうかあまり自信はない。

フリーになった場合も想定して、外部市場で高く売れるスキルを身につけておくことがこれから大事になるのではないか。

 

専門医などの肩書きの重要性も増してくるかもしれない。

>>モンドセレクションから専門医の必要性を探った

 

いざという時にもフリーターではなくフリーランスになれるように準備はしておきたい。

 

つづく

>>大学で出世するためのキャリアパス「若手医師のためのキャリアパス論」

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