前回の続き。
「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」に書かれていたのはサラリーマン+副業のキャリアデザイン。
サラリーマンとして自分の市場価値を伸ばし、転職で年収を上げる。
さらにサラリーマンとして働くなかで得た知見をコンテンツにして副収入を得る。
これは医者でも可能だろうか。
前回はサラリーマン(勤務医)の部分を考えた。
今回は副業について。
副業のメリット
副業は「生涯年収を上げる」ことの他にもメリットがあるという。
副収入があることで気持ちの余裕が生まれて、本業で大きなチャレンジができる。
僕が副業をする最も大きなメリットだと思っているのが、「副業での収入があることで、本業でも大きなチャレンジができる」というマインドセットです。
副業収入があることによって「失敗したら辞めればいい」と気持ちに余裕が生まれ、働く上での後ろ盾になるのです。
これは以前紹介した「医師の経済的自由」でも述べられている考え方である。
それによって理不尽な要求を断れるというメリットもあるだろう。
大学医局や病院上層部から理不尽な要求があったとしても、経済的に自由な状況に到達していると、自分の主義・主張を押し通すことが可能です。
誰からも指図されない自由な立場でいられる。
医者でもサラリーマン+副業は目指すべきキャリアの一つとなりうる。
それではどんな副業を行うのか。
どんな副業を行うのか?
この本ではサラリーマンができる副業として4つが挙げられている。
- コンテンツ配信
- 転売
- イベント
- 投資
コツは自分の時間を投入しなくてもよいものにすること。
使える時間に限りがあるサラリーマンは、自分の時間を切り売りする「労働集約型」では得られる収入に上限がある。
筆者が勧めているのは、元手がかからず時間を投入しなくてよい「コンテンツ配信」である。
サラリーマンとして働くなかで得た知見をコンテンツにして副収入を得る。
本業を頑張って得た知見を使って副業で稼げれば一石二鳥。
医者の仕事をコンテンツにして配信することは可能だろうか。
コンテンツで稼ぐ方法
コンテンツをマネタイズする方法は2つある
- サイトに広告を貼る
- 直接コンテンツを販売する
①広告収入
一つ目はサイトを作って、そこに広告を掲載する方法。
広告にもいくつかの種類があり、代表的なものはGoogleアドセンス。
サイトの内容に応じて自動的に広告が掲載される画期的なシステムである。
たくさんの人にサイトを読んでもらえれば、たくさんの広告収入が入ってくる仕組みになっている。
医療従事者向けだとマーケットが小さいので、一般ユーザーを対象にしなければ大きなアクセスが見込めないだろう。
ひとつのモデルになりそうなのは、けいゆう先生の「外科医の視点」
SEOで記事を作成した一般向けの医療情報解説サイトで、かなりのアクセスがあるそうだ(2017年時点で月67万PV)。
ただし収入は表示される広告の種類によって変わる。
金融系や不動産系、転職系のサイトは単価が高いが、それ以外では単価は低くほとんど儲からないとされている。
おそらく医療系のサイトも広告の単価は低いだろう。
しかも医療情報では個人サイトがGoogle検索で表示されないので、集客が難しそうだ。
以前より医療系の検索結果で、宣伝サイトが上位を占めていることが問題となっていた。
そこで今回Googleが検索アルゴリズムを変更し、医療系の検索結果が大きく変わった。
主に国や学会、病院のページが上位に表示されるようになった一方で、個人ブログの順位は大きく下がってしまった。
外科医の視点もGoogleアップデート後はアクセスが減っているのではないかと思われる。
医療サイトの限界が見える。
②直接コンテンツを販売する
もうひとつは直接コンテンツを販売する方法。
コンテンツには2種類が考えられる。
- 書籍
- 有料ネット記事
■書籍
昔ながらのコンテンツ、本の出版。
ブログを書いてそれが書籍化されればマネタイズできる。
モデルになりそうなのは倉原優先生の「呼吸器内科医」。
論文のレビューを行うかなり硬派なブログ。
おそらくGoogleからのアクセスは少ないと思われるが、ブログの内容が編集されて出版され、マネタイズされている。
さらにブログを継続していくことで、ブログが本の宣伝媒体になる。
ただ出版社から声をかけてもらうのは簡単ではないだろう。
■有料ネット記事
また他に最近流行っているのは、ネットで有料の記事を配信する方法。
noteというフォーマットを使えば簡単に有料記事を作成できる。
売る対象は医療従事者になるだろう。
ただし無名の医師がコンテンツを販売するためには、ブログ、SNSでの個人ブランディングが必須である。
ブログを書きTwitterで集客。そこから有料記事の販売につなげる。
しかし低価格で医療情報を販売されている先生はいるが、マネタイズできている人はいなさそうだ。
医療とコンテンツビジネスは相性が悪く、マネタイズするのはなかなか難しそうだ。
かろうじてうまくいきそうなのは本の出版くらいか。
何の新規性もないが…。
医療以外のコンテンツ
「本業で得た知見を副業に活かす」という本の趣旨とはずれてしまうが、医療以外のコンテンツを作成するのはどうだろうか。
モデルは自由気ままな整形外科医先生の「整形外科医のブログ」。
勤務医+投資で成功している先生で、投資の内容を書籍やPDFのコンテンツにして販売されている。
さらにオンラインサロンやセミナーなどのイベントも行われていて、副業のハイブリットである。
旅館業などもされているそうだ。
しかしこの先生は凄すぎて、普通の人にはあまり参考にならないのかもしれない。
まとめ
「転職+副業」は医者の業界ではそのまま当てはめるのは難しそうだ。
そこには医療業界の特殊性がある。
- スキルが必要な仕事ほど給与が低い
- 仕事の知識をコンテンツにしてマネタイズするのが難しい
コンテンツ配信をするならば、仕事ではなく趣味や投資の内容にするしかないのかもしれない。
しかし自分はブロガーなので、コンテンツビジネスにやはり興味がある。
そこで最近話題の「サウザーラジオ」から、もう少しブログやコンテンツビジネスについて考えてみたい。
つづく
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