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4つのアメリカ医療サービスから医者の生き残り戦略を探ってみる

 

ネットを見ているとアメリカでは色々な医療サービスが普及しているようだ。

日米の違いはあるが、日本でも同じようなサービスが今後普及してくる可能性は高いと思う。

今回はネットでみつけた面白そうなアメリカの医療サービスを紹介する。

 

クリニック開業には様々なリスクを伴うが、これからの医療の方向性について予測しておくことは、多少なりともリスクの対策になるはずである。

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あくまでネット情報なのでエビデンスはないけど。

アメリカの医療サービス

 

アメリカはインターネットが発達していて、医療用のwebサービスも普及しているようだ。

面白そうだったのは下記の3つ。

 

  • 病院版の食べログ「ZocDoc」
  • 無料のクラウド電子カルテ「Practice Fusion」
  • 医者専用SNS「doximity」

 

また富裕層向けの医療サービスとして「コンシェルジュドクター」というのもある。

これらの詳細について解説する。

 

①病院版の食べログ「ZocDoc」

 

「ZocDoc」は病院のオンライン予約サービスで、アメリカ人の約6割が利用しているらしい。

立地や予約時間枠、保険適応の有無などの条件から医療機関を検索したり、検索した医療機関を即時に予約したりできる。

zocdocの画面

ポイントは「患者が病院を評価する機能」がついていること(★で評価)で、医療機関版の「食べログ」のように利用されているそうだ。

 

患者は無料で利用可能で、サービスを導入する病院に月額300ドルを課金する収益モデル。

医者もネットの口コミを気にしなければならない時代になるだろう。

食べログのようなステマや悪質な書き込みの問題も出てくるかもしれないが。

>>ビッグデータで最適な病院を紹介、進化する予約アプリ

 

②無料のクラウド電子カルテ「Practice Fusion」

 

「Practice Fusion」はクラウド型の電子カルテ。

電子カルテはクリニック用のものでも500万円の導入費と年60万円の維持費が必要だが、「Practice Fusion」は無料で使用できる

practice fusionの画面

アメリカでは既に多くの病院で導入され、3100万人(人口の10%)の患者の電子カルテがクラウド上に保存されているそうだ。

Googleのようにカルテ上に広告が掲載され、広告費(製薬会社などからの)で収益は賄われる。

 

この会社のすごいところは、「無料」で患者データをかき集めた後、そこから出てくる大量の統計データを匿名化して研究機関などに販売しているところ。

このビッグデータは医療業界全体にとってもメリットがある。

データ販売でも莫大な利益をあげているらしい。

 

日本の電子カルテはUIが使いにくく、データ互換性を無くして他社への乗り換えができない仕様になっているため、暴利を貪っている。

昔の携帯電話のようにガラパゴス化しているように思う。

「クラウド型無料電子カルテ」は暴利を貪る電子カルテ業界に風穴を開ける存在である。

日本でも普及が進めば、iphoneに駆逐されてしまった日本に携帯電話のように、暴利を貪る電子カルテ会社は潰れてしまうだろう。

>Webベースの無料電子カルテソフトをいじってみた 

 

③医者のSNS「doximity」

 

「doximity」はアメリカの医師の半数以上が登録している医師専用のSNS。医療者の転職・就職の他、症例についての意見交換も行われている。

doximityの画面

医師向けの掲示板としてはm3とかがあるが、2ちゃんねる感というかアングラ感があるのでパブリックなものとは言いがたい。

 

ビジネスの世界ではビジネスに特化したLinkedinというSNSが普及してきているらしい。

 

Linkedinとは

職歴やスキルを詳しく書き込めるため履歴書や職務経歴書と同じように利用でき、個人のブランド構築や仕事関連の人脈作りに使用されている。

さらにアメリカ企業はLinkedinを通してヘットハンティングを行っており、転職活動にも利用されている。

 

doximityは医師版のLinkedinとも言われている。

これからの時代はフリーランスのドクターが活躍しやすい時代になるかもしれない。

>>気になる医師向けSNS

 

④富裕層向け「コンシェルジュドクター」

 

これは医療機関に自由にアクセスできないアメリカならではのシステムかもしれない。

「コンシェルジュドクター」は年会費を支払って会員登録すれば、いつでも優先的に診察が受けられるというサービス。

コンシェルジュドクター

年会費は安いところで1500ドル。ニューヨークなどの都会では2万5000ドルが相場らしい。

さらにもう1万ドル支払えば、医師の携帯番号を知ることができて緊急の場合にも24時間対応してもらえる

 

ホリエモンが病院の待ち時間に文句を言ったという話題(慈恵医大病院で散々待たされた挙句診察受けられず1080円払って次の仕事に行った話)があったが、富裕層には「大金を払えば特別なサービスが受けられる制度」はあってしかるべきだろう。

これからの医療情勢は厳しく、医者の生き残りのための戦略として「セレブ向けのサービス」も重要になると思う。

生き残れるのはセレブ受けのよい資格を取得している医者なのかもしれない。

>>コンシェルジュ・ドクター

 

まとめ

 

色々面白いシステムが存在している。

まだアメリカでも遠隔診療はそこまでは普及していないようだが、今後ネット診療とかの技術も進んでいくだろう。

これからの医療は大きく変わっていくはず。情報収集に努めて波に乗り遅れないようにしなければならないと思う。

 

つづく

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