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部下の教育について考える

 

自分は昔から教育に興味を持っていた。

しかし管理職の立場で教育を行ってみると、また違ったものが見えるようになる。

 

管理職の立場はいわばプレイングマネージャー。

自分の業務を行いながら新人の教育を行う必要がある。

そこでは主に2つの教育に携わることになる。

 

  • 研修医
  • 皮膚科専攻医

 

研修医については以前記事を書いた。

マイナー科指導医の研修医教育論
以前皮膚科で研修した研修医が、4月から他科の常勤医師として赴任してきた。 こういうことがあるから研修医は侮れない。 今回はマイナー科指導医の研修医教育について書いてみる。 研修医の教育法 研修医の教育...

 

今回は皮膚科専攻医教育について書いてみる。

 

皮膚科専攻医教育

 

皮膚科専攻医の教育は、科の診療クオリティに直結するので重要度は高い。

しかし診療に関する教育だけでは片手落ち。

学会発表や論文作成などの学術的な指導も期待されている。

(専門医試験の受験資格の中に学会発表回数や執筆論文数が含まれている)

 

教育を行う立場としては非常にやりがいのある状況である。

管理職を任された自分は、張り切って診療、学術の両面で教育に臨んだ。

 

問題点と気づき

 

しかしそこには大きな問題が存在した。

それは自分の医局のシステム上、1年ごとに部下が変わってしまうということだった。

つまりどれだけ部下が育っても、1年でゼロに戻ってしまう。

正直、皮膚科専攻医を熱心に教育するインセンティブは乏しいと感じた。

 

さらに診療、学術能力の向上を求めていない医師も多いということに気づく。

 

  • 学会発表も論文も、専門医試験を受験できる最低限でいい
  • 診療能力はほどほどでいい
  • 専門医を取得したらすぐ辞める
  • 後輩の指導をするつもりはない

 

自分は先輩方から指導してもらった分くらいは、後輩に返そうという意識がある。

そして後輩も次の世代に指導をして欲しい…という思いがモチベーションの一つであった。

しかし貰えるだけ貰ってサヨナラ…(するつもりだが指導してもらえるのが当然)という人間がほとんどだったのだ。

 

中には専門医試験前に早々に退職し、そのまま医療から離れる医師もいる。

幸せな家庭生活を語る姿に嬉しさを感じる一方、自分の教育がほとんどムダだったことに徒労感も感じるのだった(個々の事情があることは承知しているが…)。

 

指導してもすぐに辞めてしまうのであれば、医局内に自分の仲間を増やすという効果も期待できない。

後に続かない(組織の将来に寄与しない)後進の育成にどんな意味があるのか。

意味のない教育に対するモチベーションをどのようにして保てばよいのか。

 

もし自分が本当に教育好きであれば、見返りは求めず、他者の成長を見るだけで幸福感を感じることができるのだろう。

実際、若い人を指導するだけで幸福になれるというデータもあるそうだ。

後進を育成することは幸福感につながる

若い人を指導していることは、健康や収入に比べ、幸福を4倍も予測させる要素だ

 

また教育が自分の成長につながるという側面もあるだろう。

しかしインセンティブのない教育に興味をもてないということは、本質的には教育が好きではないということだったのかもしれない。

 

教育に興味をもったきっかけ

 

もともと自分が教育に興味をもったきっかけは大学受験の頃。

予備校のカリスマ講師の授業を初めて受けたときのことだった。

教室の熱気と授業の分かりやすさとに圧倒されてしまった。

 

こんなに面白い授業があるのか!!

 

それまで「面白い授業」というものを受けた経験がなく、授業=退屈なものというイメージしかなかった。

そんな自分はカルチャーショックを受け、教育に興味を持つことになったのである。

 

しかしよく考えてみると、自分が興味があるのは「教育コンテンツ」。

「育成」は好きではないのだろう。

そのことに気づくことができたのは管理職をやったお陰である。

 

まとめ

 

その後モチベーションはなくなり、ビジネスライクに教育を捉えるようになった。

しかし思い返してみると、ムダな思い入れで部下に迷惑をかけたことも少なくはなかったのだと思う。

もしかすると「専門医を取得したらすぐ辞める」、「後輩の指導をするつもりはない」などの言葉は、過剰な教育に対する拒絶のメッセージだったのかもしれない。

実は今くらいのスタンスが意外と良い結果を生むのではないだろうか。

(しかし教育コンテンツに対する想いは捨てられず、ブログで発散しているような気もする)

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