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ブライト艦長の視点から見る機動戦士ガンダム

 

久々に機動戦士ガンダムを観なおすと、昔とは違った印象をもったことに驚いた。

かつてはブライト艦長はイヤな大人の代表のような存在だった。

形式主義で偉そうだし、すぐに怒鳴り散らす。気に入らなかったら鉄拳制裁。

 

しかし管理職を経験した今になってみてみると、アムロよりもブライト艦長に共感できてしまうのである。

観るたびに新たな発見がある。これは機動戦士ガンダムが優れた作品という証拠と言えるだろう。

今回はブライト艦長の視点からみた機動戦士ガンダムについて書いてみる。

 

ブライトの立場

 

ブライト・ノアは士官学校を卒業したばかりの士官候補生。

もちろん実戦経験はなく素人同然である。

 

ところがシャアたちの攻撃によって連邦の兵士が全滅してしまったので、仕方なくホワイトベースの艦長に就任することになる。

 

自分の決断で多くの人間の命運が左右される。

素人がそんな責任が重い立場になり、戦争に巻き込まれていく。

ガンダムはブライトの成長物語としてみることができるのである。

 

3話:敵の補給艦を叩け

 

サイド7を脱出して連邦軍の基地があるルナツーを目指すホワイトベース。

しかしシャアのムサイによる執拗な追跡を受けていた。

ここでブライトは、そのままルナツーへ逃げ込むか、それともムサイに攻撃を仕掛けるかの2択を迫られる。

敵の補給艦を叩けの図

しかし決断ができないブライトは、なんと多数決を行うのだった…。

ガンダムの名シーンの図

昔はこんな無能なブライトに腹が立った覚えがある。

 

しかし判断を誤れば全乗組員の命を危険にさらす重要な決断である。

責任のない立場なら冷静な意見が言えたとしても、責任を負わされたときに同じ判断ができるだろうか。

 

さらに実戦で焦りまくり、まともな指示も出せないブライト。

ブライト・ノアの図

この姿に昔はイライラしたが、今は共感できるのである。

 

6話:ガルマ出撃す

 

大気圏突入時に護衛戦艦が破壊され、艦長のリード中尉を収容したホワイトベース。

しかし現場は無能なリード中尉の指示で混乱してしまう。

ガルマ出撃すの図

ここでリード中尉に対してブライトが一喝。いいとこを見せる。

ファーストガンダム名シーンの図

このように自分より上に無能な上司がいれば、上司批判をすることで自分を有能に見せることができる。

自分も無能な上司が欲しくなることがある。

 

しかしデカい口をたたいたブライトの指揮能力もイマイチで、アムロは不満を抱くのだった。

アムロ・レイの図

9話:翔べガンダム

 

ガルマの波状攻撃を受けて危機に陥るホワイトベース。

しかし肝心のアムロは拗ねて出撃せず、ブライトに反抗的な態度をみせる。

翔べガンダムの図

ここで鉄拳制裁。

オヤジにもぶたれたことないのにの図

昔は「なんて暴力的な…!」と思ったが、今はブライトの苛立ちがよくわかる。

自分の無能さを棚に上げて鉄拳制裁できたら楽なんだけどね。

(よけいこじれるか…)

 

20話:死闘ホワイトベース

 

ランバ・ラルとの戦闘の最中、なんとハヤトたちが脱走してしまう。

問題児のアムロばかりに気を取られていたら、新たな問題が噴出。

原因はアムロばかり特別扱いされていることに対する不満であった。

死闘ホワイトベースの図

文句を言わない優等生だと思っていた人間が実は不満を募らせていた…というのはありがちな出来事。

あからさまに反抗してくる問題児に対応しつつ、優等生もカバーしておかなければならない。

マネーシャーの苦労がよく描かれている回である。

 

22話:マクベ包囲網を破れ

 

ついに疲労で倒れてしまったブライト。

昔は肝心なときに倒れるなんて無能なヤツだなんて思ってたが、倒れるのも無理はない。

マクベ包囲網の図

艦長代理となったミライだが、指揮官の重責は思っていた以上に重かった。

冷静な意見でブライトをサポートしてきた彼女も、指揮官になるとロクな指示も出せず。

ミライ・ヤシマの図

ブライトはよくやっているんだよね。

 

28話:大西洋血に染めて

 

大西洋上でシャアたちの追撃を受けるホワイトベース。

カタパルトを破壊され最大のピンチをむかえる。

ホワイトベースの図

しかしそんな状況でも冷静なブライト。

序盤の頃の動揺が嘘のようである。

大西洋地に染めての図

 

カイとミハルが注目されるが、彼の成長を感じさせるエピソードだった。

 

30話:小さな防衛戦

 

ジャブローの連邦軍基地にシャアが侵入。

モビルスーツの製造工場に爆弾が設置されてしまう。

しかしカツ、レツ、キッカの活躍で爆弾を処理。

 

ニュータイプに目覚めつつある子供たちの活躍を描いた回だが、その裏でブライトも戦っていた。

首脳陣に詰められるブライト。

小さな防衛戦の図

管理職には管理職の戦いがあるのだ。

ガンダム名シーンランキングの図

 

31話:ザンジバル追撃

 

おとり部隊としてジャブローを発進し宇宙へ向かうホワイトベース。

しかしシャアの乗るザンジバルに捕捉され追跡されてしまう。

ブライトは、そのまま加速して振り切るか、それとも反転し攻撃するかの2択を迫られる。

奇しくも3話「敵の補給艦を叩け」と全く同じ状況。

以前は迷った挙句多数決を行ったブライトだったが、今回は思い切って攻撃を決定。

新加入の曲者スレッガーも、この決断に一目置くのだった(これ以降スレッガーはかなり頼れる存在になる)。

 

まとめ

 

今回はブライト艦長に注目してガンダムのストーリーを振り返ってみた。

最後にはワッケインに認められるまで成長したブライト。

ワッケインの図

 

管理職なんて給料は増えないのに責任だけ増える損な立場である。

今思えば、同僚と上司の悪口を言い合っていた頃が一番気楽だった気がする。

 

しかし色々な物語を違った目線でみられるようになったことはプラスなのかもしれない。

責任を負った経験が大人の条件と言うしね。

(闇金ウシジマくん8巻より)

 

次回は「進撃の巨人」のエルヴィン団長からリーダーシップについて考えてみたい。

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