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皮膚科医の読書記録2020年10月

 

10月の書評は4冊。

★5の本が登場。

 

★★★★★90~100 年間ベスト級

★★★★☆80~89 読む価値あり

★★★☆☆60~79 読んでもムダじゃない

★★☆☆☆40~59 人を選ぶ本

★☆☆☆☆40未満 時間の無駄?

 

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「暇と退屈の倫理学」の書評

評価★★★★★95点

これはスゴイ本。

万人に勧められるものではないけど、何となく仕事が頭打ちになって、満たされない気持ちを抱えている人は読んでおくべき。

【関連】働かないオジサンになる医者、ならない医者

 

満たされない気持ちとは退屈の問題である。

そんな悩みはすでに何百年も前から、哲学者によって議論し尽くされていたわけだ。

この本は退屈について、様々な哲学者の考察がこれでもかというくらい掘り下げられている。それでいて読みやすく、とても分かりやすい。

我々は退屈を感じたとき、新たに何か打ち込めるものを探すべきなのだろうか。

パスカルによるとそれが人間の不幸の原因なのだという・・。

長くなりそうなので、また別にブログ記事にまとめてみたい。

 

「銀河英雄伝説研究序説」の書評

評価★★★★☆85点

銀河英雄伝説の解説本。

最近旧作アニメ版「銀河英雄伝説」を全部視聴したので、解説本を読んでみた。

ガンダムなどと同じく一般教養になっている銀英伝だが、恥ずかしながら今までみたことがなかったのだ。

いやあ、これは面白いですな。

自分は艦隊戦よりも政治的な駆け引きの方に魅力を感じたが、かなり骨太な作品なので色々な楽しみ方ができそうだ。

この解説本も内容はかなり濃くて、ファンなら絶対満足できるデキになっている。

実際の歴史と銀英伝のストーリーを対比させて解説する第二章なんかは、この物語の奥深さを象徴しているように思う。

アニメの内容込みで評価は85点。

 

「覇王の家」の書評

評価★★★★☆80点

徳川家康を描いた歴史小説。

歴史小説は苦手なんだけど、この本は面白かった。

司馬先生は家康が嫌いらしく、頻繁にディスられている。

「妙な男であった」「魅力的な性格は家康にはなかった」「不幸なほどに独創性低くうまれていた」といった具合である。

でも司馬先生の男の美学みたいなものを押し付けられるより、こういう嫌々書かれたようなものの方が面白く感じるのは、ひねくれているだろうか。

家康は野心よりも、強力な生存本能で上り詰めた人間として描かれている。

戦国時代はいつ殺されてもおかしくない時代。殺される相手は敵かもしれないし、味方かもしれない。

生きるためには、まわりに敵をつくらない慎重さが必要である。

そんな時代に、世間体を一番に重視して、ホンネとタテマエを使い分ける巧みさに魅力を感じるのである。

 

「科学的な適職」の書評

評価★★☆☆☆50点

仕事について考察した本だけど、内容は浅く感じた。

どんな仕事を選ぶべきなのか、転職の際に参考とすべき指標がいくつか示されているが、その前に大事なのは「転職の選択肢を増やす」ことなのではないか。

どれだけ適職がわかったところで、望むような仕事を選べなければ意味がない。

自分の市場価値を知り、市場価値を高める努力をしなければ、理想の転職は難しいだろう。

その点でこの本は机上の空論になってしまっている気がする。

以前紹介した「転職の思考法」のほうが実践的な内容である。

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