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2019年オススメ本のまとめ

 

月一回アップしている書評記事「皮膚科医の読書記録」の中から★4以上の本をまとめました。

 

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★5

密室殺人ゲーム王手飛車取り

久々に面白いミステリーを読んだ。

ネットで知り合った5人が、実際に殺人を行うリアル推理ゲームを行うというストーリーで、短編ミステリーのような構成。

歌野晶午といえば「葉桜の季節に君を想うということ」があまりにも名作で有名。

インパクトではさすがに葉桜には劣るが、こちらの方がミステリーらしい。

中にはくだらないトリックもあり油断していると、最後にすごいトリックが出てきて驚かされた。

ラストが中途半端で蛇足という意見もあるようだが、こういう読後感は嫌いではない。

「虚無への供物」が提示した問題に取り組んでいるとも言えるのではないか。

 

研修医のための人生ライフ向上塾!

これはとてもよい本。

研修医がバーンアウトしないためのコツがコミカルに解説されている。

なぜかハンターハンターネタが多く、ウケを狙いすぎた感もあるが内容は実はマジメ。

「意識高い系」の教科書ばかりが書店に並ぶ中、こういう本の存在はとても重要だと思う。

研修医の4人に1人がうつになるというデータがあり、筆者の先生も研修医時代にうつになったそうだ。

自分もバーンアウトしかけたことがあり、当時助けになったのはmedtoolz先生のブログや春日武彦先生の書籍。

そんな時にこういう本もあったらよかったのにと思った。

研修医への愛が溢れた名著。

 

未来の働き方を考えよう

評価★★★★★5

社会派ブロガーちきりんの本をはじめて読んだ。

万人に響く内容ではないと思うが、今の自分にはかなり刺さる本だった。

今までは嫌な仕事でも60歳まで耐えれば悠々自適な老後が約束されていたが、人生100年時代になり定年は延長されることになった。

嫌な仕事を70歳まで続けるのは難しい。

「LIFE SHIFT」ではマルチステージの人生を設計することが推奨されていたが、この本ではもう少しわかりやすく書かれている。

職業生活を2つに分けて、40代で働き方を選びなおすという人生設計である。

これは仕事のマンネリ化を解消する手段にもなる。

40代が近づき、仕事もマンネリ化しつつある自分にとって、まさにタイムリーな話である。

また「LIFE SHIFT」だけでなく「ニートの歩き方」、「となりの億万長者」など色々な本のエッセンスが詰まっている。

2013年の本なのに、すでに最近流行りのFIRE(Financial Independence, Retire Early)の概念が紹介されていて、ちきりんの先見の明には驚かされる。

キャリアの転換期にある人にはオススメの本。

 

★4(1月)

ミニサイトをつくって儲ける法

ブログではないミニサイトの作り方を解説した本。

ブログとの違いは「完成型」で「更新しなくても読まれ続ける情報提供型」のサイトであるという点。

「Google AdSense マネタイズの教科書[完全版]」に近いコンセプト。

しかし簡単なように書かれているが、実際にミニサイトをつくって稼ぐのはブログよりも遥かに難しそうだ。

ただミニサイトの作り方の一つとして紹介されている「ブログコンテンツをスピンアウトさせてミニサイトにする」という方法はとても参考になった。

 

渋谷ではたらく社長の告白

サイバーエージェントの藤田社長の自伝。

サイバーエージェントというとチャラい会社というイメージ。

しかしその影には壮絶な歴史があるということがわかった。

20代で起業した藤田社長は、若き日のホリエモン率いるオン・ザ・エッジと協力し事業を一気に拡大する。そんなサクセスストーリーも面白く読める。

しかしその後の転落話は想像を超えていた。

ITバブルが崩壊しサイバーエージェントの株価も暴落。株主からもマスコミからも「罪人」扱いされ追い詰められていく。

とても興味深い小説だった。

 

お金は寝かせて増やしなさい

インデックス投資について書かれた本。

最近はiDeCoやNISAの登場でインデックス投資を行っている人が増えてきている。

インデックス投資は「安全で、毎年確実に3%程度の利益がでる」というイメージで紹介されているような気がする。

しかしインデックスにもリスクはあり、簡単ではない。

暴落して大幅にマイナスになったときにも、売らずに買い続けることができるか。

リーマンショックを乗り越えた著者の経験談は必ず役に立つはず。

インデックス投資を続けていくために読んでおくべき本だと思う。

 

ニートの歩き方

京大卒のニートという異色の経歴の著者。

「他人と長時間一緒にいると疲れる」、「できるだけ毎日何もせずに寝て過ごしたい」という人間が、無理をせずに生きていくための方法が詳細に解説されている。

自分も著者に近いタイプの人間なので色々と共感するところがあった。

後半では社会制度や生物学にまで言及され、タイトルからは想像できないような骨太な内容である。

「変人だと周りに思われたとしても、自分に合わない場所で無理する必要はない。」というのは大切だと思う。

 

★4(2月)

決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法

クリニック開業のために経営の本を読んでいると、どうやら簿記が必須の知識らしい。

ということで会計の本をいくつか読んでみたが、難しくてよくわからない。

ならば実践と考え、ブログに広告を導入し帳簿をつけてみた。

その上でもう一度会計の本を読んだが、やはりわからない。

そこでわかりやすいと評判のこの本を手にとった。

ドリル形式で財務諸表の作り方が丁寧に解説されていて、確かにいままでの本よりも数段わかりやすかった。

PL、BS、CFの3つのつながりがわかると、一気に頭に入ってくる。

最初の一冊としては難しいかもしれないので、ある程度勉強した上で読むのがおすすめ。

 

★4(3月)

決断=実行

元中日監督の落合博満の新刊。

野球選手の著書は内容が薄いものが多いけど、落合と桑田の本は情報量が多くて面白い。

落合は現役時代から好きで、引退直後に出した「野球人」は傑作。

今作はいままでの本と内容が被る部分も多いが、細かいエピソードがたくさん書いてあって面白かった。

日本シリーズで完全試合中の山井を交代させたとき、一塁のウッズを守備固めに代えなかった理由など。

また中日監督1年目に言った「戦力を10%底上げして優勝する」の具体的な内容にも触れられている。

普段の仕事にも役立つかもしれない。

 

開業医やってみたけどダメでした

開業の失敗談を綴ったキンドル本。

こういう本は他にはないので非常に参考になる。

どうやら失敗の原因は手を広げすぎたこと。

非常勤の専門医を雇い、クリニックに皮膚科、耳鼻科、小児科の外来を作り、土日も診療を行う。

患者は1日200人を超え売上は上がったそうだが、経費が大きく利益は上がらない。

事業の拡大よりもスモール経営が大事だということが確認できた。

部分的に文章に支離滅裂なところもあり、筆者の精神状態が心配な気もする…。

 

狭小邸宅

不動産業界の裏側が分かる小説として橘玲氏が推奨していた。

様々な騙しのテクニックがわかりやすく紹介されていて勉強になる。

引き立て役のダミーの物件を見せてから本命を見せる「まわし」、他の客が同じ物件を狙っていると見せかける「かまし」など。

そしてただ業界の闇を描くだけでなく、デキない營業マンであった主人公が優秀になっていく過程も描かれている。

その中で同時に失っていくものもあり、営業という仕事について考えさせられる内容の深い小説だった。

普段は営業の業務とは無縁なため面白かった。

 

★4(5月)

読まなくてもいい本の読書案内

橘玲が色々な学問の最新の知見を紹介した本。難しいけど知的好奇心が刺激される骨太な内容。

専門家から見れば間違っている所もあるらしいが、これだけの広い分野の知識をまとめて読ませる筆力はさすがである。

今「人文科学」「社会科学」「自然科学」という学問の枠組みが変わりつつあるのだという。

「人文科学・社会科学」系の学問である心理学や経済学は「自然科学」系の学問の影響を受けて、進化心理学や行動経済学などの新たな形に生まれ変わった。

また哲学の難解な問題は、脳科学やカオス理論(複雑系)によって解き明かされようとしている。

たまにはこういう教養を深める本を読んでみるのもよさそうだ。

 

★4(6月)

発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術

発達障害の著者がどうやって社会に適応してきたのか、具体的な方法をライフハックとして紹介した本。

普段何気なく行われていることも発達障害の人から見たら不思議なことらしく、世の中の見えない慣習みたいなものが鋭く的確に表現されている。

筆者がこれまでとてつもない分析と努力をしてきたということがよく分かる。

「親切にはお礼という対価が必要で、対価が支払われないと人は怒る」とか「褒めることはタイミングが重要で音ゲーに近い」など。

程度や個人差もあるとのことだが、発達障害の教科書なんかよりもこの本を一冊読んだほうがはるかによく理解できる気がする。

 

実行力

元大阪府知事・市長の橋下徹のビジネス書。

大阪都構想にまつわる様々な考えや政治的な駆け引きが語られており、面白かった。

たくさんの抵抗勢力との戦いの記録である。

トランプ大統領や、イギリスのEU離脱などとも対比されていて説得力がある。

下手なコンサルタントなんかの本よりも、この人のマネジメント論であれば信憑性がある。

住民投票に負けたときの憑き物が落ちたような柔和な表情は、それまでどれだけ激しい戦いを行ってきたかを表していたと思う。

 

★4(7月)

湖底のまつり

泡坂妻夫の代表作とも言われる小説。

恋愛ミステリーというか官能ミステリーと言えるような内容。ある男女の恋愛をきっかけに謎が浮かび上がり、最後には鮮やかなトリックが炸裂する。

ここまでわかりやすいヒントがたくさんあるにも関わらず、真相を見抜けなかったのは悔しい。

人を選ぶかもしれないが、ミステリー好きにはオススメ。

ちなみに泡坂妻夫のマイベストは「妖女のねむり」。

 

★4(8月)

女医問題ぶった斬り!

フリー麻酔科医筒井先生の著書。

女医問題だけでなく最近の医療ニュースを一通り網羅しているので、医療情勢のレビューとしてもオススメ。

聖路加への労基、地方での年1860時間残業容認発表、文科省高官の息子の裏口入学、麻酔科学会のフリーランス狩り、新専門医制度など。

メインの内容は入学試験の女性減点で明るみに出た女性医師問題。

この問題の本幹には時短勤務、当直免除などの女性支援策の恩恵を最大限に利用し、ローリスクな仕事を短時間だけ行う「ゆるふわ医」の存在があるという。

この「ゆるふわ医」に対しては、実際に自分もネガティブなイメージを抱かされることがある。

サクサク読めるが内容は充実していて面白かった。

 

★4(9月)

転職と副業のかけ算

転職について書かれた本は多い。また副業について書かれた本も多い。そしてSNSを使った自己ブランディングについて書かれた本も多い。

でもそれらをひとまとめにして、一つのキャリアデザインを描いた本はあまりなかったと思う。

なかなか面白い本かったのでレビュー記事を別に書いた。

 

共感SNS

ゆうこすの名前はよく耳にするが、あまり注目していなかった。

しかしこの本を読んで、甘くみていたことを反省した。

SNSを利用したセルフプロデュースは、これからのビジネスの最先端である。

彼女は一見カワイさをアピールしているだけのようだが、実は新しいアイデアで勝負する一流起業家としての側面を多分に持っている。

さらに今後プロデューサー側に回るというビジョンまであるようだ。

自分もブランディングの勉強のためにSNSをやっているつもりなので、彼女の戦略は参考になった。

 

緘黙

個人的にファンの精神科医・春日武彦先生の小説。

3人の精神科が、15年間喋らない男性・新実克己の治療を行うというストーリー。

治療を通じて3人の精神科医の複雑な心理が詳細に描かれおりとても面白い。

また途中で挟まれる小話の中で紹介される精神科医の細かい診療テクニックも非常に興味深い。

中盤までは年間ベスト★5かと思ったが、残念ながら終盤に失速・・。

肝心の新実克己のキャラクターがひどく陳腐で、せっかく今まで積み上げた深い世界観が台無しになってしまった。

 

★4(10月)

会社は1人で経営しなさい

「一人経営」を勧める経営の本。

ネット上では「具体性がない」とか「説得力がない」とか散々な書かれようだが、コンセプトは面白いと思った。

「一人経営」とは社員ゼロもしくは超少人数で行うミニマムな経営。

今後人口が減少する日本では、経済規模も縮小していく。

そこで従来の「会社をいかに大きくするか」という経営から、「成長を追い求めず適度なものを維持していく」という経営にシフトしていくのがよいのでは、と筆者は語る。

売上が低くても、コストダウンして経費を削っていけば利益は確保できる。

併せて自分の生活もコストダウンすれば十分に生活していくことができる。

筆者が具体的にどれくらいの数字を出しているかは書かれておらず、たしかに説得力がない部分もある。

しかしこの理屈は、「常に成長を目指せ!」とか「理念!クレド!」とかいう肉食系の経営本よりも、自分にはしっくりきた。

 

★4(11月)

朝日ぎらい

恥ずかしながら、今まで政治思想がよくわかっていなかったので勉強になった。

日本の安倍一強体制、アメリカのトランプ支持などの構造がわかりやすく解説されており興味深い。

現在知識社会が高度化し、世界では人材獲得競争が進み、グローバル化・リベラル化してきている。

その分ふるい落とされる人が増え、反動として保守勢力が台頭してきているのだという。

その人達が唯一の頼りにするのが民族ナショナリズム。

非常に納得のいくロジックである。

「保守化するリベラル」など、リベラルと保守の定義については言葉遊びのような部分もあるが、知的好奇心が刺激される面白い内容だった。

 

完全教祖マニュアル

胡散臭いタイトルで、新興宗教のマインドコントロールの手法を解説した本かと思ったら、本格的な内容の本だった。

キリスト教、イスラム教、仏教などの既存の宗教を分析し、宗教そのものについて考察している。

全体的におちゃらけているが、食事制限や断食が存在する理由、日曜礼拝の効果など、宗教のシステムについてわかりやすく解説されていて面白い。

内容が豊富すぎて完全に消化しきれていないが、マネージメントにも応用が効きそうな本だった。

 

★4(12月)

「自分メディア」はこう作る!

評価★★★★☆4

ちきりんがブログ運営について書いた本。

SEOとかマネタイズとかは全く考えていないそうで、ちきりんのブログは独自ドメインですらない。

将来なにか新しいことをするためのインフラとして、自分が発信できるメディアを育てる。そのために質の高い記事をストックしていくのがブログの目的とのこと。

昔は自分もそんな考えがあったけど、小手先のテクニックばかり追いかけていて忘れてしまっていた。

自分のブログ運営について見直すきっかけになった。

 

自分のアタマで考えよう

評価★★★★☆4

再び、ちきりんの本。

「考える」ことが大事とよく言われるが、「考える」とはどういうことなのかが徹底的に解説されている。

「考える」とは自分の意見を持つということ。情報収集に時間を使っても考える力はつかない。

情報を集めて分析する作業に熱中して、思考をしていない人が多いと書かれているが、まさに自分のことだった。

情報収集ばかりしていて自分の考えがないんだよなあ。

耳が痛い内容だった。

 

PIXAR

評価★★★★☆4

ピクサーのクリエイティブな側面ではなく、ビジネスの側面について書かれた本。

このストーリーが抜群に面白い。

主人公はスティーブ・ジョブズにヘッドハントされて、ピクサーの経営を任されたローレンス・レビー。他の本にはほとんど出てこないキャラクターである。

当時のピクサーには利益を上げられる事業はなく、長編アニメ「トイ・ストーリー」もまだ未完成。

ピクサーの経営を成り立たせるためには、トイ・ストーリーを大ヒットさせるしかない。しかし仮に大ヒットしたとしてもほとんど利益がでない契約をディズニーと結んでいた、という無理ゲー。

その状態からどうやって今のピクサーを作り上げたのか。そこには綿密に練られた株式上場のシナリオがあった。

 

AI vs 教科書が読めない子どもたち

評価★★★★☆4

この本のテーマは2つある。

一つ目はAIの現状と限界について。

ロボットによる東大受験というプロジェクトから、AIの学習メカニズムがわかりやすく解説されている。

二つ目は読解力について。

東大プロジェクトから開発されたテストによって、基本的読解力がない子どもがたくさんいることがわかったそうだ。

Twitterをやっていると実感することである。

筆者はこれを教育の問題にしているが、自分は先天的な問題なんだと思う。

今までは目立ってなかっただけ。

youtubeやインスタが流行っているのも、そのあたりに原因があるのではないか。

それらの層をターゲットにしたビジネスチャンスもあるような気がする。

非常に興味深い内容だった。

 

仮病の見抜きかた

評価★★★★☆4

小説形式という奇抜な医学書「仮病の見抜きかた」。

面白かったので別にレビュー記事を書く予定。

 

フリーランス医師のつくりかた

評価★★★★☆4

フリーランスというカッコいい言葉を使っているが、要するにバイト医である。

医局を辞めてバイト医になるためのマニュアル。

後腐れない医局の辞め方とか、社会保険の切り替えとかかなり具体的に書かれている。

こういう本はたぶん今までなかったと思うので貴重である。

「専門医資格の効力が最も発揮されるのは採用面接を受けるときです」という言葉は結構重要なのではないかと感じる。

バイト医になりたい、でも専門医も取りたくないという人がいるが、リスキーな生き方なのかもしれない。

 

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