市販の水虫薬はやめよう OTCに侵食される皮膚科の未来

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水虫(足白癬)の患者の半数は薬局で市販薬(OTC医薬品)を購入しているという。

病院を受診する人はわずか2割程度らしい。(日本医師会雑誌. 146(3)517, 2017)

OTC医薬品とは

これまで医師の処方箋がなければ使用できなかった医薬品を、処方箋なしに薬局などで購入できるよう、一般用医薬品として認可したもの

軽い病気や症状は市販薬で治してもらうことで、膨張する医療費を抑制するのが狙い

今回はOTCの効果と皮膚医療に与える影響について考えてみた。

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OTCはやめたほうがいいのか?

OTCの水虫薬の効果が低いかというと、そんなことはない。

抗菌成分は病院で処方される水虫薬と一緒。つまり市販の薬でも水虫の治療は可能だ。

しかしOTCの水虫薬には注意点がある。それは副作用を起こしやすいということである。

市販薬には抗真菌薬のほかに止痒目的で「クロタミトン」、殺菌目的で「イソプロピルメチルフェノール」などが配合されているため、これらによる「かぶれ」を起こしやすい

また診断自体も間違っている可能性がある。

そのため「水虫になったら皮膚科を受診するように啓蒙すべし」とされている。

これには一理あるが海外では状況が違うようだ。

海外の現状と厚労省の野望

韓国ではすでに湿疹、水虫、にきびの薬がOTCにスイッチしているという。

つまり基本的に皮膚科を受診する必要がない。

外用薬を処方しているだけの皮膚科は経営が破綻し、韓国の開業皮膚科医は美容と皮膚外科に移行したらしい。(皮膚病診療30(3):331, 2008)

日本でも医療費の抑制のため、OTCへの切り替えが密かに進んでいて、2017年1月からセルフメディケーション税制が新設された。

セルフメディケーション税制とは 

OTC医薬品の購入費用について所得控除を受けることができる(税金が安くなる)制度

これはOTCの推進のための制度で、軽症医療の保険外しを進めるための受け皿作りと捉えられる。

OTCはやめようなんて啓蒙していても、時代の流れには逆らえない。

「水虫になったら皮膚科を受診するように啓蒙すべし」から「水虫になったら皮膚科へは行かずに薬局で薬を買うべし」という時代に変わっていく可能性も高い。

そうなると、これからの皮膚科は、韓国と同様に普通の診療だけではやっていけなくなるだろう。

「診察をして軟膏を処方する」ことが医療行為と認められなくなった時に、皮膚科医はどうすればよいのか。

やはり美容に進むしかないのだろうか。

今後クリニックを開業するなら、考えておかなければならない問題である。

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