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皮膚科医のフリーランス体験記③スモールビジネス編

 

前回までのあらすじ

皮膚科医のフリーランス体験記②仕事編
前回までのあらすじ 当初目指していた研究の道は断念 その後、総合病院へ移り管理職となるが、そこでの仕事にも適応できなかった。 そして大学へ戻ることも叶わず、キャリアは閉じてしまった。 ...

 

当初目指していた研究の道は断念

その後、総合病院へ移り管理職となるが、そこでの仕事にも適応できなかった。

そして大学への帰還を画策するも叶わず、キャリアが閉じてしまう。

 

そこで次なる道を探すべく、サバティカルタイム(モラトリアム期間)の取得を決意。

フリーランスの道へ進むことになったのだった。

目的は以下の2つ。

 

  • 様々な職場を経験する
  • スモールビジネスへの挑戦

 

理想はフリーランスをしながら自分のビジネスで生きていくことである。

 

しかし実際にやってみて、フリーランスの道は先がないことを悟った。

それではビジネスについてはどうだったのか?

 

好きを仕事に

 

サバティカルタイムの師、尾石晴さんは以下のように語っている。

 

収入の柱を複数持つスタイルを目指す。

私は兼業農家のような「収入の柱を複数持つスタイル」を目指しています。

 

月5~10万円の収入が得られるチャレンジを5~6個くらいやる。

毎月5~10万円くらいの収入が得られるチャレンジを5~6個、2年くらいかけてやろううかなと考えていました。

 

自分は診療以外の収入が一切ない状態。

とりあえずは診療以外で月5~10万程度の収入を得たいと考えた。

 

晴さんが勧めるのは、自分が好きなものをビジネスにすること。

どんなものも、切り方次第で商品になります。

挑戦しやすいのは、講師業やコンテンツの直接販売です。サロン運営をしている人もいます。

 

  • 好きなものを教える(ヨガインストラクターなど)
  • 好きなものをベースにサービスをつくる(同行して化粧品を選んであげるなど)
  • 好きなもののコミュニティをつくる(会費制のおもちゃ同好会)

 

晴さんは趣味のヨガをオンラインで教えるビジネスを立ち上げ成功、加えて化粧品のオンライン販売もうまくいったようだ。

 

しかしそれはインフルエンサーとしての影響力あってのこと。

無名の素人がサービスを立ち上げたところで、それがビジネスになる可能性はないだろう。

 

それではどうやって収入を得ればいいのか。

参考になる書籍がある。

 

インターネットビジネス

 

「転職と副業のかけ算」によると、サラリーマンができる副業として4つが挙げられている。

 

筆者が勧めているのは、元手がかからず時間を投入しなくてよい「コンテンツ配信」である。

こうして自分もインターネットビジネスを開始したのだった。

 

しかし現実は非情である。

高額な情報商材を購入して取り組んだが、月数百円の収入で打ち止めであった。

【関連記事】ネットビジネスで稼ぎたい人が読むべきマンガ「闇金ウシジマくん」

 

「まず1円稼ぐ。あとはそれを拡大していけば月100万まで伸ばせる。」

というのが情報商材屋の常套句である。

 

あとはこれを伸ばすだけ。そう考え月1円→100万円を目指したが、月1円稼ぐのと月100万円稼ぐのは全く別である。

 

それでも「月1円稼げばなんとかなる」と言って副業を煽るところに、このビジネスの肝がある。

これは「つるはしビジネス」と呼ばれるものである。

 

つるはしビジネス

 

1840年代後半、金脈を狙う者たちがカリフォルニアに殺到したゴールドラッシュ。

しかし大きな金脈を掘り当てて成功した人はごくわずかだったそうだ。

 

しかしゴールドラッシュで大きく儲けた人たちもいた。

それは金を掘る人々につるはしを販売した業者である。

 

一番儲かるのは、金を掘るのではなく、その人々に対してつるはしを提供すること。

これがつるはしビジネスである。

 

ネットビジネスも同様である。

本当に稼ぐコツはネットビジネスをやることではなく、ネットビジネスを煽ってビジネスのやりかた(つるはし)を売ること。

 

魅力的なコンテンツを作る才能がある人は、本当に儲けることができるのかもしれない。

しかし自分は才能のない凡人であり、「つるはしビジネス」の養分になっただけであった。

 

医療ライター

 

他にも検討したのは、医療ライターの仕事。

Webメディアなどでヘルスケア情報記事を作成するという内容である。

 

実際、単発の仕事をやってみたことがあるが、得られる収入はごくわずかである。

とても月5~10万にはなりえない。

 

調べてみると、医療ライティング塾というものがあるようだった。

しかし、副業を煽って入塾を勧めており、典型的な「つるはしビジネス」の匂いがした。

実際にライティングをする人間は養分で、ライティングを教える側が利益を得る構図なのだろう。

 

スモールビジネスで儲けるにはつるはしを売るしかない。

それができない自分は、ごくまれに来る単発の執筆や講演の仕事で、2~3万円の収入を得るというのが限界であった。

 

投資

 

もう一つの収入源として検討すべきなのが投資である。

 

 

投資には大きく分けて2種類がある。

 

  • 株式投資
  • 不動産投資

 

株式は以前から少しずつ買い増していたが、インデックス投資なので、ETFからわずかなインカムゲイン(分配金)を得られるのみ。

とても収入の足しにはならなかった。

 

それでは不動産投資はどうか。

よく営業電話がかかってくる投資用ワンルームマンションは詐欺である。

 

不動産投資の王道はマンションを1棟まるごと買うこと。

1億円以上買い物となるが、銀行融資を受けて購入するのが基本となるようだ。

 

しかしいきなりマンション1棟はリスクが高い。

不動産経営の経験が乏しい状態で、いきなり巨額の銀行融資を受けると破綻する危険性が高まります。

 

そこで練習のため、戸建て物件を購入するのがよいとのことだった。

私は自己資金で購入可能な低額の戸建物件から開始することが望ましいと考えています。

十分な経験を積んだ後、よりリスクの高い収益1棟マンション投資にステップアップします。

 

実際には「築22年以上の民家を数百万円で購入し、リフォームして借家にして貸す」という手法となる。

しかしこれも簡単ではない。

探してみても、売りに出ているのは誰も住んでいないような超ド田舎の民家のみ。

 

良い物件は自分の足で見つけるしかない。

手土産持参で不動産屋への挨拶周りするとよいとのことだった。

 

そして仮に買ったとしてもリフォームのノウハウは一切ない。

これは大家の会などに参加して人脈を作る必要があるとのこと。

 

不動産投資も人脈やコミュ力が重要になるわけである。

コミュ力のなさから研究をドロップアウトした人間ができるビジネスではない。

参考記事>>医者に必要なのはジジ殺しのスキルである

学会の懇親会で人脈を築けない人間が、大家の会で人脈を築けるはずがないのである。

 

まとめ

 

こうしてスモールビジネスのチャレンジは失敗に終わる。

毎月10万円を稼げる小さなビジネスなんて絵空事であった。

毎月10万円、1人あたり5000円払ってくれる人が20人いればOKなビジネスモデルを探しているのです。

毎月10万円の花になる「種」を探してみませんか。

 

結局、フリーランスをしながら自分のビジネスで生きていくことは不可能であった。

フリーランスで生きることはできないし、ビジネスで稼ぐこともできない。

 

自分の能力では医師免許にしがみついて、自らの時間を切り売りして稼ぐしかない。

そう悟ることができたのは大きな収穫であった。

 

医療分野は斜陽産業、保険医療はジリ貧などと言われるが、なんと言われようが、そこにしか生きる道がないわけである。

こうして沈没しかけの泥舟にしがみつく覚悟を決めたのであった。

 

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